大ヒット映画の『トランスフォーマー』…

ではなく『キサラギ』を観てきました。

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《以下ネタバレ注意》

感想…非常に面白かったですねぇ。

トランスフォーマーよりも、キサラギの方が観た人の満足度は高いんとちゃうかなぁ。

自殺してしまった如月ミキが蘇った!みたいな反則技は使わないままエンディングを迎えるし(当たり前か)、

エンドクレジットの後に宍戸JOEさんが出てきて、観る側に中途半端に変な余韻を残して終わってしまうから、ハッピーエンドとは言いきれない作りだった訳ですが、

不審点が多い如月ミキの自殺の謎について、様々な方向に風呂敷を広げるだけ広げて、

終盤に向けてその謎を一個ずつ・これ以上無いぐらいに“美しく”まとめていきつつ、何度も何度も観る側を笑わせてくれた、古沢さんの書く脚本の完成度の高さは凄かった。

それに加えてこの映画。

主要の登場人物の5人を演じた役者さん達の人選も素晴らしかった。

終わってみれば、反則の域にまで達していた感もある(笑)

全体を通して、如月ミキの熱いファン同士の自慢合戦の際のムキになった時のテンションと、

如月ミキの真実に近づいていく台詞のトーンのギャップが大きいから、役者さんの演技が下手だと変な空気になるんでしょうけど、そーいう不安は皆無でした。

中でも、如月ミキの真実が明らかになって、主要登場人物5人がニューシネマパラダイスチックにプラネタリウムで泣いた後、如月ミキの下手な歌にあわせて踊り狂う…という流れのメリハリの付け方は完璧だったかと。

観る側からすれば

『この作品なら、無理に映画にしなくても舞台演劇でもえーやん』

と言われ易いから、作り手側からすれば、難易度が相当高いであろうワンシチュエーションコメディを、

映画作品として文句を言われにくいところまで昇華させたスタッフの皆さんは、世間の評価以上に胸をはっていいんじゃないか、と思います。



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ちなみに、個人的に一番笑ったのは謎解きの過程で、幻に終わった如月ミキのヘアヌード写真集の題名(今回のブログの題名です)が明らかになり、皆から

『やる気満々じゃん!』

って突っ込まれて、更に

『SHOW MEの意味を間違ってるし』

と畳み掛けられるシーン。

実際の舞台演劇だと、この手のツッコミは映画よりもオーバーに演出されるのかも知れませんが、シレっとツッコミを入れていたのが、笑いのツボにはまりました。

なお、僕も含めて場内から一番笑い声が起きたのは

塚地さんが

『ヤックンです』

とカミングアウトしたシーン。

序盤は、喪服を買いに行ったり(これを巡るやりとりも大概笑った)何度も腹痛に襲われたりと、謎解きにあまりタッチしていなかったのは、

この一言が盛り上がる様にする為だったのか!と拍手をしそうになりましたよ。

しかし、先週観た『河童のクゥ〜』も素晴らしかったけど、この『キサラギ』も素晴らしかった。

こりゃ、次観に行く映画は慎重に選ばなきゃいかんなぁ…。


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