一昨日は『沈まぬ太陽』を観てきました。

想像以上に凄い映画でした…

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※PC版ホームページ

《以下ネタバレ注意》
今回も、いつもの様に原作はチェックせずに観に行ったのですが、

予告編をみる限りは『クライマーズハイ』と同じく、まず例のジャンボ機の墜落事故が有りきのストーリーかと思ってたんですけど、

実際に観たら全くそうではなくて、話の軸は偉くならないと正しい事ができない大企業である国民航空を舞台にした、

主人公・恩地と行天の二人の人生という名の憎悪にまみれた、長くて重い闘いだったんですよね。

ジャンボ機墜落事故は、あくまで二人の闘いの中の一部分でしかなかった。

その点は非常に驚かされましたしやたら印象に残りました。

あと、

『これだけ社内がドロドロしていたら、そらいつかは大事故も起こるやろ。

普段全く飛行機には乗らないけど、今後もあんまり乗りたくないなぁ』

とも思いましたが、この記事に書かれている某航空会社の『法的措置も辞さず』のスタンスに賛同する事になりそうなので、敢えて小さい声で言う事にします(苦笑)

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しかしまあ何ですね。

かつては組合の中の同志だったのにどちらも信念を曲げない&妥協をしないもんだから、

あそこまでお互いがお互いの生き方を認めず溝が深まり、

しかも最終的にはどちらもが国民航空の本社には残れず、されど国民航空という会社は続いていく…

という形で、二人の闘いはバッドエンドになったというのは、

観おわった後味が相当悪くなる筈なんですけど、オーラスのナイロビの夕陽を観せられたら、

恩地の台詞じゃないけど、そんな二人の人生でさえも地球規模の大自然の中ではちっちゃく見えてしまう。

だから、そこまで後味が悪くなかった。

変に納得させられたというか。

ここら辺を文字のみで表現してまとめた山崎先生って、すげえなぁって思いました。

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次は、この映画を語る上で絶対に切ってはきれない『休憩込みで上映時間3時間半』という点について書きましょう。

先週一夜復活した『アシッド映画館』の中で平野先生が

『長さは感じなかった。4時間になっても良かった』

という言い方はしてましたが、僕も同意ですね。

国見の過去などを描いたり、時代・時代で構成を完璧に区切る事ができたら、二部作にする事は何ら問題なかったんじゃないか?とは思いましたが、敢えて3時間半を一気に見せたのも正解だと思います。

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それと、原作がどうなっているかはわかりませんが、ジャンボ機の事故が起きるところから物語が始まり、

立て続けに恩地が遺族との対応係を任じられて、遺族と一緒に苦悩しまくるところが一通り描かれてから、

恩地と行天の人間関係のスタートが描かれるあたりからして、

『あ〜、ゆうきさんが言われた様に、確かにこりゃテレビドラマっぽいわ』

とは思いましたが、僕は敢えて書いておきたいんですよね。

悪い意味でテレビドラマっぽい演出や編集にしとかないと、テーマが本当に重過ぎて、とてもじゃないけど“観客からお金を貰う”エンターテイメントとしては問題有りますよ。

そりゃ、原作にはクライマーズハイみたいに飛行機本体にあった筈の事故原因を追求する、という流れがあったのかも知れませんが、

ただでさえ、恩地や遺族の方は時間が経っても事故の事を引きずり続けている、という部分が必要以上にしっかりと描かれていたので、

御遺族の方が映画の形でそーいうのを観てしまったら、本当辛くてたまらないと思います。

だから、あーいう感じになったのは、しゃーないんじゃないすかね…

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ここからは、役者さん達について。

渡辺謙さんにしても三浦友和さんにしても、完璧な演技と存在感があったと思いますね。

ただこの映画で多分唯一残念だったところが、

20年以上に渡る苦労に苦労を重ねる二人の歴史が克明に描かれながらも、二人を始めとして、どの主要登場人物もあんまり老けてないんだこれが。

若い頃はいかにも若く見える様にメイクはしているんですけど、年をとってもあまり変わらないから、凄い人生を送ってきたのに根本的に説得力が欠けてくる感じがしました。

本当もったいないですよ…

そうそう。この事もどーしても書いておきたい。

前記の平野先生による

『組合活動を熱心にしていたからって、あんなに露骨に窓際扱いをされて海外勤務を続けたら、会社辞めるやろ?』

というツッコミについて思う事なのですが…

ぶっちゃけた話、観ている間そこはずっと気になりました(爆)

恩地、田村潔司よりも頑固で、前田日明よりも信念を曲げ無さ過ぎやで!?

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ついでに書けば、単身赴任もせずに家族をカラチやらテヘランやらに連れていったら、そら家庭崩壊もするやろって話で。

ただ単に、山崎先生の辞書の中には単身赴任は無い、というだけの話かも知れません。

でも、家族崩壊か?という場面が要所要所に折り込まれる割に、最終的に家族の絆の大事さを訴える訳でもない。

まぁ、恩地が家族の絆とかを強く訴えられたら、ジャンボ機事故の御遺族の方がブチ切れるから、敢えて控えた可能性はありますけどね。

最後に。

『沈まぬ太陽』を観た貴方は、この恩地の『どんな目にあおうが、絶対に会社を辞めない』生き方をどう思いましたか?

という事で。

僕はこーいう生き方を、リスペクトはできるけど絶対真似したくない。過労死したって自分には何も残らないもんなぁ…。

映画同様、感想も長くなりましたが、こんな感じです。

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