先日は映画『阪急電車 片道15分の奇跡』を観てきました…

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≪以下ネタバレ注意≫

僕は以前、映画『僕と妻の1778の物語』をふわ〜っとした映画やと決め打ちをしたんですけど、

『阪急電車』はテーマがブレなかった僕と妻の〜と比べて、

作品の舞台は狭いのに登場人物が多くて、観る側に伝わりやすい・機微なんて言葉には程遠いエピソードが散らばっており、輪をかけて『ふわ〜っ』としていた感じ。

あずき色の阪急電車を舞台にした人情喜劇というよりは、

宮本信子さんをストーリーテラー風の妖精さん的存在にした現代のおとぎ話を観ている様な感覚に陥りましたねぇ。

要所要所で、男性の心の琴線にやたら触れる深い台詞が、よりによってクセのある女性達の口から不意に出てきたから余計にそう感じたのかなぁ?

この点に関しては完全に油断していたから、やられましたね。はい。

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だから見終わったら、シンプレのナベちゃんがTwitterで

『阪急電車』は春らしい作品。ストーリーとかではなく空気感を楽しむ作品だ。

と解説していた意味がよくわかった。

構成を間違えたら、とっちらかったまま終わりそうな複数のエピソードを、

しっかりと横の繋がりを持たせながら、往路で前振り・復路でその後を見せて無難に交通整理をしていたのは高く評価したい。

しかし…

エピソード毎の作者の思い入れの強さに幅が有り過ぎたのか?

エピソード毎の演出の仕方と予算の使い方が、非常にムラがあった様に思うんですよ。

話の途中ながらも結論を書きますと、僕はこの『ふわ〜っ』とした感じは好きだし、

『ふわ〜っ』とした感じをより膨らませる為に、作品の舞台を今津線界隈にしたセンスは素晴らしい。

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奇跡と呼ぶには抵抗があるぐらいに大した事が無い事の連続やったから、最後まで観ても僕は泣きませんでしたが、

事前の期待以上にハッピーな気分になれたし、観る前よりも優しくなれた様な気がする…

十分に満足できました。

ここからは、苦言を書きます。

とにかくなぁ、エピソード毎のバランスをもっととっといてほしかったなぁ。

これは原作自体がそうなのか、または映画になってからバランスがぐちゃぐちゃになったのかはわかりませんが、僕の中では一番心に引っ掛かりましたねぇ。

独身女性の心理のイヤーな面をじっくりと描いてた討ち入りのエピソードと、

軍ヲタ&野草ヲタのエピソードの作り込み具合のギャップなんて、その最たるものでしょう。

壁に生えたワラビを採るには命綱が必要だなんてどーでもええやろ!みたいな(笑)

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二番目に引っ掛かったのは、全体的な雰囲気がふわ〜っとし過ぎていた反動で、

討ち入り!

DV!

処女喪失のピンチ!

狂犬が噛みつく!

オバチャン軍団の言葉の暴力!

これらの毒っ気が何十倍にも増幅されて見えてしまったんですよね。

ありがちな範囲の人間関係のトラブルで、そこまで大したアレではないし、ましてや劇中に人が死んだりした訳じゃないのに、

特にバキッ!ポチャン!バシッ!うぇ〜ん!辺りなんかは特にそうでしたが、

気分がどん底付近まで沈んでしまったというかですね。これは僕だけかなぁ?

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また、例のオバチャン軍団を確信犯で復路のキーマンに据えていたのと、

性根はオバチャン軍団に近い様なイメージがある某女優さんが演じるキャラが、

オバチャン軍団に振り回されて胃が痛くなるっつーストーリーは『そんなん勘弁してくれよ』って思った。

ただですね、そんなアンバランスな流れがあったからこそ、

クライマックスで“妖精”宮本信子さんが孫を使ってオバチャン軍団を言葉で“狙撃”したシーンは、

観ていて何とも言葉にしにくい清々しさ&爽快感があった。

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そーいう意味では、この作品における宮本信子さんの存在はムチャクチャ大きかった。

犬の名前をケンにするまでの回想シーンでは可愛らしい面がありながらも、

各登場人物に適切かつ重みのある魔法の言葉をポポポポ〜ンと投げ掛けていく。

もし、宮本信子さんではなく別の女優さんがこの妖精を演じていたら?と想像したらぞっとする…

そうか。

宮本信子さんが、日本アカデミー賞の最優秀助演女優賞を受賞しそうなのも…

悪くないよね、この世界も。

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