昨日は、映画『SUPER8/スーパーエイト』を観てきました。今回はその感想を。

ウォーキング・ディスタンス作戦に入る前に、結論から書けばですね…

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≪以下ネタバレ注意≫
『クローバーフィールド』のHAKAISHAと原作版『漂流教室』の未来人類を足して2で割った様な“彼”のデザインは、オリジナリティに欠ける感じがしてアレでしたが、

全体的には非常に綺麗でテンポが良くて、かつ面白かったですね(笑)

でも、あれだけCGをフル稼働しながらも『ソーシャルネットワーク』や『ブラック・スワン』みたいに、観ていて圧倒される事は無かったかな…と。

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そりゃ『おぉ〜っ!』or『どないなるんや!?』って思った箇所は幾つもありましたが、

“彼”による恐怖がじわじわと確実に露呈してくる場面と、

ジョーとアリスら少年達が中心になるシーンの、

緊張感の硬軟の切り替えのテンポがむしろ良過ぎて、SF兼パニックものとしては主役であるべき“彼”の怖さを畳み掛ける!感が物足りなかった。

もっとも。

その点に関しては、年齢制限の無い、国籍も問わず老若男女に見てもらえる映画にする為の措置だったかも知れないから、減点材料にはできませんが…

って、それじゃあ火薬のガキをあんなにカッコ良く描くなよ!ってなるし、

終盤にカメラ屋のヒッピーみたいなアンちゃんが、ドラッグでラリってるシーンなんか入れんなよ!って話になりますが、それは横に置いといて(苦笑)

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大体ですね。米軍に監禁されて虐げられて、人間に対しては憎しみしか持っておらず、

地底に拉致してきた人間をぶら下げてたり、保安官やパーマのおばちゃんを無慈悲にポイッ!ってやっちゃっていた“彼”が、

竹内義和先生がツッコむところの

『ギャオって鳴くからギャオスだよ』

チックな、シンプルな言葉によるジョーの説得で簡単に考えを変えて、

時間面で“巻き”が入っていた感満載の過程を経て旅立っていったのも、かなりの違和感があった。

あのオチならば、せめて『第9地区』みたいに、宇宙船の燃料だけが足りなかった、みたいな設定にしといてほしかったですね。

そりゃ、ジョーの母親への想いに一区切りを付ける事を促すが如く、ペンダントが飛んでいくシーンは、

若干のあざとさを感じつつも、僕の心に響いたから好きなのは好きなんですが、

どーせだったらETへのオマージュを込めて、子供が乗ったままの自転車を吸い寄せてほしかった、なんて思ったり…(笑)

そんな訳で、上半期ナンバーワンの面白さだったとは言いにくい部分はある。

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しかし。

エイブラムス監督の、自主映画制作へのノスタルジーと、スティーブン・スピルバーグへのリスペクトと、過去のSF映画の名作へのオマージュと…

これらはムチャクチャに伝わってきた。

自主映画でもないのに、ここまで好きに作れたのって凄い。

変な話、タラちゃんやジョン・ウーみたいに、見映えなんてどーでもええから、

過去の名作へのリスペクトをこれでもか!言うぐらいにぶちまけたんや!みたいな作品にはならず、

よくぞまぁこれだけハイブリッド?な映画を作れたもんだ、と感心させられた。

こんなエイブラムス監督が手掛けるミッション・インポッシブルの次回作は観とかないかんなぁ、とも思った。

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具体的にどの映画の血(要素)がどれぐらい混ぜられているか?の分析については、

僕よりもスピルバーグやSF映画に詳しい方のブログを読んでもらうのが早いので割愛しますが、

CG合成の江口愛実の顔みたいに、ただ単に名作のオイしいところを一つの枠に集めただけの映画ではないのは、

列車事故の前からも、また“彼”の全容がほぼ明らかになって以降も、主要キャラの間の人間関係をじっくり掘り下げていたところからも伝わってきたし、

かといってリスペクトやオマージュだけでは、ここまで美しい・綺麗な構成にはならなかった気がするので、制作スタッフの技量は間違いなく相当高いと思う。

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夏休みも近い事だし、クレヨンしんちゃんの長編映画チックな、口コミで評判が広まる余地は大いにあったにも関わらず、事前に作品情報を殆ど流さなかったのも、

江口愛実みたいな『単なる寄せ集めやん!』と批判をされない為の対策か、

リスペクトとオマージュまみれ?の作品になった事への照れ隠しだとしたら、これはこれで正解だったかも知れないですね。

う〜ん…

何というか、けなしてるのか誉めてるのか、自分でもよくわからなくなってきたなぁ。不思議やなぁ…

そうか。

この感覚こそが、藤子不二雄F先生が言うところのSF・少し不思議っちゅう事なのか!?(笑)

松本零士先生ら、日本のSF漫画家の皆さんの、SUPER8の感想を聞いてみたくなりましたね…

それでは最後に一言。

監督のカズニックです…

※ユー何とかより

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