はい、一昨日は映画『ヒミズ』を観てきました。今回はその感想を。
5月7日、おまけ人生初日です…
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僕にとっては『冷たい熱帯魚』以来2作目の園子温監督の作品。
園子温にしか撮れない、物凄い映画だったと思います。
これを青春映画というならば、世紀が変わってからは最高レベル・究極の青春映画なのでしょう。
(未見ですが)愛のむき出しでは劇場側の都合を無視して長時間の作品に仕上げたり、
自作に出演した、巨乳のみが売りの女優さんを恥ずかしげもなく奥さんにしたり、
冷たい〜の半端でなくぶっ壊れた世界観を観る限り、
園子温監督って人間のイカれてるところの表現力がずば抜けているだけなんじゃないか?と思ってましたが、
ヒミズを観てしまうと、その憶測は撤回しなきゃいけませんねぇ。
早くも『2012年のベスト映画』とコメントする方の気持ちもわかる。
でも、作品として不満点というか、隙はあった。
他の方は目をつむるかもしれませんが、僕はまずその『隙』について書いてみますと…
要らん様なシーンが複数ありましたよね。
パンフをみたら129分という事ですが、
・茶沢が帰宅したら首吊り台が赤く塗られていたシーン
・バスの中の妊婦さん親子をめぐるやりとり
・ファミレスのシーンor通りすがりのヤンキーを刺すシーンのどちらか
を削れば、120分丁度ぐらいにはまとめれたでしょう。
演出がくどいのは、園子温だからこそ全然いいんですけど…ね。
茶沢の闇の部分は、首吊り台が完成しかけのシーンで十分伝わったし、
おまけ人生が始まってからは明らかにテンポが悪くなった印象があって…
変な話になりますが。
僕が観た回では、住田がロウソクが消えた明け方に洗濯機の中のピストルを探そうとするシーンでは、
ガァーガァーといびきをかいて寝てる人がいまして、まさか茶沢のいびきか?って疑いましたもん。
秋山vsみのるのGHC戦か?(詳細は各自調査)とツッコんでしまうぐらいに、主演の二人はビンタでしばき合っていたのによう寝れるなぁ、とも思いましたが、
冷静に考えてみれば動と静のギャップがここまで極端ならば致し方無いかという気もした。
次の隙。
主演の二人を全面バックアップしていた『園子温とゆかいな仲間たち』の怪演は素晴らしかったのですが、
渡辺哲さんバージョンの夜野というのは、僕は違和感があった。
そら、あの役を演じきった渡辺哲さんは凄い役者さんやと思いましたが、
スカイハイ窪塚や でんでんさんとのクサい掛け合いを見る限り、吹越さんが夜野を演じてほしかった。
ただ、これは吹越さんの拘束期間の都合なのかも?
この点に関しては でんでんさんの冷たい〜とはひと味違った強烈な演技でプラマイ0になったとも言えますが。
最後の隙…
というか僕の中の価値観の問題なんですけど、園子温監督って撮影中の最新作で、どーやら原発やら放射能汚染やらをテーマにするみたいで。
パンフを読むと、ヒミズでは昨年の大地震を受けて園監督は設定やら大オチやらを複数変更をしたそうですが、それに関して僕は大いにノレた。
被災地ロケでの映像は圧倒されたし、監督が感じた悔しさ・やるせなさは十分に表現できてた様に思うし、
震災の後だからこそあのラストには感動させられた部分もある。
また、震災の後であっても原作のままの絶望的なラストであっても、否定できないぐらいに作品の完成度は高かったし。
先週観たエンディングノートとは表現方法は両極端なぐらいに違いましたけど、
終始ネガティブな方向でムチャクチャやりながらも『前向きに生きていこう』的なメッセージを送れてしまう監督の腕は凄いと思った。
でも…
ヒミズの完成からほとんど時間を開けずに、大震災の後の日本の物語をオリジナルで考えてしまうのって、やり過ぎでしょ?
要らん事を書けばですね、園子温スタイルでもし反原発の意思を表現しきったら、原発推進派に命を狙われる様な作品を作りあげそうな気もする。
せめて、何か全く別のテーマでワンクッション挟んでほしかったなぁ…
さて、ここからはヒミズで良かったところを。
若い二人の熱血演技の素晴らしさについては割愛。観た人皆言うてるでしょうしね。今後も活躍してほしいものです。
その次だと、ヒミズは、冷たい〜とは違う、18禁指定を食らわない事を重視した青春映画だからなのか?
登場人物が皆、あれだけいろいろと深く傷つきながらも(あくまで冷たい〜と比べて)大量の血が流れるシーンはなく、涙を流すシーンも強調する程多くははなかった。
ついでに書けば、なかなかにカオスな世界が舞台なのに、警察が全く出てこなかった(笑)
血や涙に頼らない代わりに、ビンタ等を何十回も打ち合い声が枯れるぐらいに吠え続け、
何度も何度も川の水でずぶ濡れになり泥まみれになり、おまけの人生になってからは絵の具まみれになり…
血も涙も流さずにして、内面も外面も血まみれになっている様に見せて観る側を涙させるひねくれた芸術性というか。本当凄かった。
もし何かの間違いで、ヒミズを観ていないのにここまで読まれた方が居られたら、是非その点にも注目してほしいですね。
文字数の兼ね合いでそれでは今回はこの辺で。
住田頑張れ、頑張れ住田。住田頑張れ、頑張れ住田…
園子温にしか撮れない、物凄い映画だったと思います。
これを青春映画というならば、世紀が変わってからは最高レベル・究極の青春映画なのでしょう。
(未見ですが)愛のむき出しでは劇場側の都合を無視して長時間の作品に仕上げたり、
自作に出演した、巨乳のみが売りの女優さんを恥ずかしげもなく奥さんにしたり、
冷たい〜の半端でなくぶっ壊れた世界観を観る限り、
園子温監督って人間のイカれてるところの表現力がずば抜けているだけなんじゃないか?と思ってましたが、
ヒミズを観てしまうと、その憶測は撤回しなきゃいけませんねぇ。
早くも『2012年のベスト映画』とコメントする方の気持ちもわかる。
でも、作品として不満点というか、隙はあった。
他の方は目をつむるかもしれませんが、僕はまずその『隙』について書いてみますと…
要らん様なシーンが複数ありましたよね。
パンフをみたら129分という事ですが、
・茶沢が帰宅したら首吊り台が赤く塗られていたシーン
・バスの中の妊婦さん親子をめぐるやりとり
・ファミレスのシーンor通りすがりのヤンキーを刺すシーンのどちらか
を削れば、120分丁度ぐらいにはまとめれたでしょう。
演出がくどいのは、園子温だからこそ全然いいんですけど…ね。
茶沢の闇の部分は、首吊り台が完成しかけのシーンで十分伝わったし、
おまけ人生が始まってからは明らかにテンポが悪くなった印象があって…
変な話になりますが。
僕が観た回では、住田がロウソクが消えた明け方に洗濯機の中のピストルを探そうとするシーンでは、
ガァーガァーといびきをかいて寝てる人がいまして、まさか茶沢のいびきか?って疑いましたもん。
秋山vsみのるのGHC戦か?(詳細は各自調査)とツッコんでしまうぐらいに、主演の二人はビンタでしばき合っていたのによう寝れるなぁ、とも思いましたが、
冷静に考えてみれば動と静のギャップがここまで極端ならば致し方無いかという気もした。
次の隙。
主演の二人を全面バックアップしていた『園子温とゆかいな仲間たち』の怪演は素晴らしかったのですが、
渡辺哲さんバージョンの夜野というのは、僕は違和感があった。
そら、あの役を演じきった渡辺哲さんは凄い役者さんやと思いましたが、
スカイハイ窪塚や でんでんさんとのクサい掛け合いを見る限り、吹越さんが夜野を演じてほしかった。
ただ、これは吹越さんの拘束期間の都合なのかも?
この点に関しては でんでんさんの冷たい〜とはひと味違った強烈な演技でプラマイ0になったとも言えますが。
最後の隙…
というか僕の中の価値観の問題なんですけど、園子温監督って撮影中の最新作で、どーやら原発やら放射能汚染やらをテーマにするみたいで。
パンフを読むと、ヒミズでは昨年の大地震を受けて園監督は設定やら大オチやらを複数変更をしたそうですが、それに関して僕は大いにノレた。
被災地ロケでの映像は圧倒されたし、監督が感じた悔しさ・やるせなさは十分に表現できてた様に思うし、
震災の後だからこそあのラストには感動させられた部分もある。
また、震災の後であっても原作のままの絶望的なラストであっても、否定できないぐらいに作品の完成度は高かったし。
先週観たエンディングノートとは表現方法は両極端なぐらいに違いましたけど、
終始ネガティブな方向でムチャクチャやりながらも『前向きに生きていこう』的なメッセージを送れてしまう監督の腕は凄いと思った。
でも…
ヒミズの完成からほとんど時間を開けずに、大震災の後の日本の物語をオリジナルで考えてしまうのって、やり過ぎでしょ?
要らん事を書けばですね、園子温スタイルでもし反原発の意思を表現しきったら、原発推進派に命を狙われる様な作品を作りあげそうな気もする。
せめて、何か全く別のテーマでワンクッション挟んでほしかったなぁ…
さて、ここからはヒミズで良かったところを。
若い二人の熱血演技の素晴らしさについては割愛。観た人皆言うてるでしょうしね。今後も活躍してほしいものです。
その次だと、ヒミズは、冷たい〜とは違う、18禁指定を食らわない事を重視した青春映画だからなのか?
登場人物が皆、あれだけいろいろと深く傷つきながらも(あくまで冷たい〜と比べて)大量の血が流れるシーンはなく、涙を流すシーンも強調する程多くははなかった。
ついでに書けば、なかなかにカオスな世界が舞台なのに、警察が全く出てこなかった(笑)
血や涙に頼らない代わりに、ビンタ等を何十回も打ち合い声が枯れるぐらいに吠え続け、
何度も何度も川の水でずぶ濡れになり泥まみれになり、おまけの人生になってからは絵の具まみれになり…
血も涙も流さずにして、内面も外面も血まみれになっている様に見せて観る側を涙させるひねくれた芸術性というか。本当凄かった。
もし何かの間違いで、ヒミズを観ていないのにここまで読まれた方が居られたら、是非その点にも注目してほしいですね。
文字数の兼ね合いでそれでは今回はこの辺で。
住田頑張れ、頑張れ住田。住田頑張れ、頑張れ住田…
コメント
コメント一覧 (2)
今しか撮れないから、そこまで次々と動くのか。
それとも彼のリビドーがそうさせるのか。
この監督の作品はこれからも見ていかないと、その辺りは読めてこないのかも知れませんね。