東日本大震災から丸2年を過ぎた事を意識しつつ、昨日は映画『遺体 〜明日への十日間〜』を観てきました。

やるべし…

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≪以下ネタバレ注意≫



先週観た『ゼロ・ダーク・サーティ』と違う形で見終わって言葉が出ない上に、何度も何度も泣いてしまう非常に重い作品だった。

『東日本大震災の災害や被災地の関心を薄れさせてはいけない。これは、震災の犠牲者たちを支えた人々についての物語です』

という君塚監督のコメントを重視して評価をするならば、完璧の域に達していた様に思う。

西田局長が演じた主人公・相場常夫から、各自の立場で安置所に集まる人達に対して、

御遺体、御遺族にはこういう風に接していきましょう的な…言ってみれば『おくりびと』的な説明と、

御遺体に話かける事で…という『おくりびと』にもなかった範囲の説明が入り言葉の重要性を伝える事により、生死に関わらず人の命の重さを改めて知ってしまい、

それなのに身元不明の御遺体には暫定的に○○号と番号を付けざるを得ないところに、余計にこの作品が訴えてくる事が記憶に刻まれたというか…

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しかしながら。

エンターテイメント寄りの映画として観ればですね。

ともすれば肝心の西田局長の演技が“やり過ぎ”に見えてしまうぐらいに、全体的に淡々としていたのは若干の違和感があったというか…

テーマがテーマだから、過剰な尾びれ背びれを付けない作り方もそれはそれで正解な訳ですし、

今作における西田局長の演技も、あそこまでやりきった以上は正解だったと思いましたけどね。

かといって、ドキュメンタリー寄りの映画として観るならば、

幾ら君塚監督の趣旨に賛同したとはいえ、こんなに沢山有名な役者さんに出演してもらわなくても…

と思ってしまう。

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『作品が出来上がった今、テレビ局だからこそ作らなければいけない作品だと確信しています』

とコメントしていたフジテレビの亀山さんが製作だから、諦めにも似たしょうがない部分もあるにしても、

あまり有名ではない役者さんを多数起用した事で緊張感を増した『ゼロ・ダーク・サーティ』みたいな例もある訳ですし…ね。

万が一、これからこの作品を観る予定のある方は、舞台の密室劇を観る様な感覚で映画館に行かれる方が良いんじゃないか?とは思いました。

間違った見方になっていたらすみません。

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僕が今作で一番印象に残ったところ。

原作とは違って、震災直後の遺体安置所に舞台を絞りきっていた構成になりますかね。

遺体安置所での出来事は、あくまで東日本大震災のほんの一部分でしかないのに、

そんなほんの一部分だけでもここまで混乱していて、ここまでありとあらゆる悲しさに満ちている事が伝わってくる事で、如何に未曾有の天災であったかを理解できてしまう。

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しかも

『私たちにできる事は待つ事だけなんだから…』

という、御遺体の今後が全くわからない状態から、葬儀社と市役所と國村さん演じる住職さんの尽力により、棺桶と火葬とお骨の保管の段取りがついて、

徐々に御遺体と御遺族を安置所から送り出していきながらも、

御遺体の数自体は劇的には減ってなくて、更に安置所に運びこまれいくシーンをラストに持ってくる事で、十日が過ぎても終わりが見えてこないが故に、

希望を持つのはまだ難しかった事が伝わってきて、凄く複雑な思いになりました…

僕なりの結論。

東日本大震災による被害を受けてはいない人や、また園子温監督の『希望の国』を観られた方は、

原発事故とは違う切り口で描かれた被災地の真実として観ておく方が良い作品なんじゃないでしょうか、という事で…

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