先日は、台湾映画『KANO カノ 1931海の向こうの甲子園』を観てきたので、今回はその感想を書いていきましょう。

いらっしゃいませ…

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※PC版ホームページ

≪以下ネタバレ注意≫


僕がここ最近観た映画では『幕が上がる』『くちびるに歌を』と当たりが続いていましたが、

それらを観た上でも(まだ現時点ではという言い方にはなりますが)どーやらKANOは2015年一番の映画になりそうやなぁ、と。

スポーツものの枠に収まりきらない物凄い映画だったと思っています。

というのもこのKANO。

日本統治下の台湾を舞台にした嘉義農林学校野球部の実話をベースにして、

野球ながらも梶原一騎先生ではなくラグビーを取り上げた『スクールウォーズ』に近いノリを現代の映画に甦らせて、

しかもインド映画の私的最高傑作『きっと、うまくいく』ばりに沢山のエピソード…

いや『きっと、うまくいく』よりもシリアスな部類に入るエピソードをギュウギュウに詰め込んだ上で、たった(?)の3時間5分にまとめていたという。

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正直いって

『そのエピソードは別に無くても良かったなぁ、そのエピソードの時にトイレに行っとけば良かったなぁ』

と思ったところは複数ありましたし、

野球のシーンにおける説得力の高さと比べたら、CG技術が明らかに大した事が無かったところを加味すれば、

良くも悪くも今の日本の映画では多分有り得ない台湾映画ならではの熱さと荒さが同居していた。

…いや、近藤監督からの目線が中心ながらも、札幌商業のエースの子をナビゲーター役にする形で、

1931年のシーンと太平洋戦争の終戦間際のシーンを、観る側に無理を感じさせず行ったり来たりしていたのなんて上手さも感じましたね。

そして忘れちゃいけない、マー・ジーシアン監督以下台湾のスタッフの皆さんによる、八田先生&日本へのリスペクトの表す脚本も僕の心に響きまくった。

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野球の試合のシーンに関しては、野球が詳しい方が観たら物足りなさを感じるかも知れませんが、あくまで舞台は1930年代。

アジア人の選手が、甲子園球場の外野フェンスを直撃する打球が打てなかった時代野球だから割りきるべきでしょう、みたいな。

よって、やっぱり今作は高く評価せざるを得ないなぁ、という感じです。

KANOの熱さについて。

とにかく嘉義農林のメンバーがとにかく“絶対に諦めない”ところになりますよね。

それで、絶対に諦めなくなるきっかけになった、近藤監督の尋常で無い熱さが呉以下メンバーに伝わっていく流れが、

今の日本のスポーツを取り上げたフィクションではまず見られないもので、非常に新鮮だった。

それこそ、混成チームだったからこそ一致団結しやすかったのか?となったぐらいで。

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“熱さ”の部分で僕が一番印象に残ったのは、大雨で試合が途中で中止になって負けた時に、悔し泣きする部員に向かって

『泣くな!負けたものに泣く資格はない!』

と一喝するシーン。

嘉義農林のメンバーがこれでもか、というぐらいに泥だらけになるだけでも『うわっ!』となっていたのに、

いわゆるツンデレではなく更に厳しい言葉を発するなんて、これは物凄い映画に違いないって確信したぐらいで。

ほんでもって、その『泣くな!』が『監督、僕達はいつ泣いたらいいんですか!?』の伏線になっていたのなんて、涙腺決壊もんでしたよ。

もっとも、冒頭の嘉義農林の部員のチンタラぶりと、覚醒して以降の描写のギャップから邪推をするに、

殴る・蹴るは当たり前!R指定已む無し!

となる、近藤監督による理不尽極まりない超スパルタ指導があった事は容易に想像はできる訳ですが、

そこら辺はスルーして(まぁ、しゃーないか)皆がロウソクの炎を見つめ続ける精神修行のシーンがあった辺りなんて、日本人の映画監督さんには無さそうなシュールなセンスも感じたなぁ…

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野球のシーン以外で僕が特に印象に残ったのは、野球部の快進撃と正比例していた、嘉義の町の皆さんの変化の仕方…かなぁ。

しかも、地区予選の優勝パレードが変化のピークではなかったという。

冒頭の『こーしえん!』のランニングを冷やかしながら観ていた時の描き方と、

vs中京戦を力道山の試合でお馴染みの街頭テレビならぬ街頭ラジオで応援する時の描き方のギャップなんて、

今の日本映画だと、きっと観ていて恥ずかしくなるぐらいでしたよね(苦笑)

う〜む、この調子で感想を書いていけばキリがなくなりそうなので、ぼちぼち締めますかね。

最後に一言。

永瀬正敏さんの熱い演技は最高でした。

今作きっかけで熱血教師の役を演じる機会があればチェックさせていただきます(笑)

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