今回は、先日観てきた映画『海街diary』の感想を書いていきましょう。

トントン…

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≪以下ネタバレ注意≫

作品としてのクセも無く、見終わって引っ掛かるポイントも少ないのでカンヌでの評判がアレなのも仕方ない気もするけど…

観ていて優しい気持ちになれる映画でしたね。

派手な映画もいいけど、たまにはこーいう映画を観て癒されなきゃいけない、と思った。

僕がそう思った最大の理由。

事前には(個人的には高評価している)『横道世之介』よりも

“特にこれといった大きな事件は起きない”

まま最後まで行く映画だとは夢にも思ってなかったからだったりします。

強いてあげれば、冒頭すずが葬式が終わって香田家にやってきたのが、最大の事件だった様な気がするぐらいで(笑)

それでも観ていて心に残る映画になったのは、香田家の日常と鎌倉の一連の風景の描き方ありーの。

四姉妹のキャスティングの妙がありーの。

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四季を通して、という前提があるとはいえ、今にして思えば複数のエピソードを細かく、かつ荒く切り取っていながらも、

繋ぎ目ではそう感じさせなかった編集の巧さも強調する必要もあるのかな…

そもそも僕、是枝監督の作品はあまり相性が良くなくてですね。

『空気人形』のクライマックスへの持って行き方はあまりノレなかったし、

『奇跡』の、新幹線がクロスするクライマックスの前夜に奇跡が起きていた点は『何やそれ!?』とはなってしまった。

そんな調子だから『そして父になる』は未だに観てないし。

今作も是枝監督だから、という一点のみでスルーしようかなぁ…とまで思っていたぐらいで。

食事のシーンが しつこいぐらいあって『ホンマに美味いんか?』とまで疑ってしまうぐらいだったのはちょっと減点材料ではありますが、

それでも、観といて良かった、と心から思えました。感謝。

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キャスティングについて。

演技の達者さは言うに及ばず、如何にもプライドが高そうな女優さんばかりだったから、

撮影現場はかなりピリピリしとったんとちゃうか?と邪推はしてしまいますが、

そーいうハイリスクに見合う見返りはあった様な気はする。

綾瀬はるかなり長澤まさみタンなり、これまでの出演作で演技も胸も観てきた女優さんについて、この場で改めて掘り下げるのは控えておきますが…

と前置きをして書けばですね。

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夏帆が演じた千佳のマイペースっぷりは良かったですね。

あーいう不思議系寄りのキャラが一人居るからこそ他の三人の芯の強さが際立っていた訳で。

そこを取り上げずに夏帆の劣化がどーこうって騒ぐのも野暮な話やと思うんやけどなぁ…

広瀬すずに関しては、台本無しで演技をさせた是枝監督の奇策の意図はともかくとして。

ドリブルが上手かったサッカーのシーンであったり、

これぞ是枝監督の世界観の真骨頂なのか?

とまで思った まえだまえだ弟との会話のシーンを何回も観てしまうと、

その奇策の成果が観る側にはあまり伝わってこなかったのは もったいない印象は残りましたね。

ビジュアルとしては、古くはオキメグだったりちょい最近だと橋本愛だったり。

短めの髪の子が好きな時期があったもんだからドンピシャではあるんですけど…ね。

あとキャスティングの面で『これはズルいわ』と思ったのが、樹木希林さんと大竹しのぶさんの起用。

法事での家を売るや売らんやのエピソードなんて、実際には売ろうと話を持ちかけただけで具体的には何も動いてはいないのに、

前記の二人の独特のスタイルの演技にリードされて綾瀬はるかが見事に炎上したもんだから、この作品としては立派な大事件になっていたし、

この二人のアクの強さがあったからこそ、風吹ジュンさん&リリーさんによる海猫食堂絡みのエピソードがやたら心に染みたんやろーなぁ、とも思ったし…

とにかく、是枝監督は素晴らしい仕事をやりましたな、ということで。

是枝監督の次回作はそれなりに期待をして観なきゃいけないし、海街diaryの続編にも期待をしたいですね…

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