今回は、先日観てきた映画『セッション』の感想を書いていきましょう。

めめしい奴め!

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≪以下ネタバレ注意≫


最近になって、ササダンゴマシンの中の人やガンプロの獅子王が予告無しで観ていた事もあり、

事前に期待し過ぎてしまった、と言ってしまえばそれまでですが…

『あぁ、こんなもんなんか…』

どまりだった、というのが率直な感想になりますかね。

もちろんですね、何回観てもヒゲを剃った麿赤兒さんにしか見えなかったフレッチャーの、イカれっぷりとクズさは僕の心の琴線には響きましたが、

昭和の新日本プロレスや全日本プロレスの道場の年長者は、

高確率でフレッチャーみたいなんばっかりやったやろーから衝撃を受けたとまでは行かなかったし。

アレだけ偉そうなフレッチャーが、自ら楽器を演奏しているシーンがほとんど無かったり、

ニーマンと再会してからの、アメとムチにおけるアメにあたる話が長かったりして、感情移入するまでは行かなかったなぁ。

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フレッチャーの出たシーン以外でも、ニーマンの恋愛絡みのエピソードは薄っぺらくて時間の無駄感があったのは

『何だかなぁ…』

となってしまった。

終盤まではニーマンの父親に対しても、観ながら『何だかなぁ…』と思ってましたが、

ジャズフェスティバルの一曲目で、フレッチャーにハメられて谷底に突き落とされたニーマンが、

舞台裏で父親に抱擁されるシーンは感じるものがあったので、そこは

『やられた!』

となりましたけどね。

ついでに書けば、観られた方の多くが高評価するオーラスのニーマンの狂気の演奏にしてもですね。

凄かったのは本当凄かったのですが、フレッチャーが何回もイスを投げつけたり、シンバルを投げた、みたいな話をしていたもんだから、

それが実はラストシーンの伏線で、フレッチャーがニーマンが演奏を終えて悦に入ってすぐに顔面めがけてイスorシンバルを投げ飛ばして、

当たるか当たらないかの瞬間に暗転→エンドロールになるもんだと勝手に決めつけていたもんで、

そうはならなかったので

『えっ、それじゃブラック・スワンと一緒やん?』

となってしまい、正直物足りなさを感じた。

もちろん僕の勝手なアレですが、同じ様な事を思った方は居たと思うんやけどなぁ…

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ストーリーにおけるキモである演奏シーンにしても。

ニーマンら三人の中から主奏者を選ぶまでの下りの無限地獄感は心底嫌ーな気持ちにさせられて印象には残りましたが、そのシーンとラストの演奏以外はですね。

春に公開された『バードマン』の中でのドラムのリズムで登場人物の心理状態を現す、というテクニックを既に観ていたのと、

この映画においては、あくまで、ニーマンがフレッチャーに糞呼ばわりされながらもドラムを叩くまでがメインディッシュなのだ、

というのに気づくのが遅れた為に、ただ単に演奏していただけに見えてしまい、面白味に欠けて見えた。

まぁ、それはそれでいいんでしょうし、僕自身がバンドやらジャズやら知らんから、

上手なドラム演奏がどんなんなのか?がさっぱりわからなかったのが悪いので、減点材料と言い切ると悪意がある様に思われますが、一応書いておきます。

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ここまでは、劇中のフレッチャーばりに好き勝手な事を書いてきましたが、

そんな『セッション』の中でフレッチャーと音楽以外で僕が高評価をしたいのは、

隠し味っぽく、独特なカメラワークを折り込んでいたところになりますかね。

ニーマンが氷水の中に出血した手を突っ込むところと、ニーマンがレンタカーで事故ったところと、他にあったっけなぁ。

あの独特の撮り方をもうちょい活用する手も無くは無かった様に思った…

いや、それをやると更にバードマンっぽくなっていたかも知れないし…

う〜む…これに関してはこれぐらいで勘弁して下さい、ということで。

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