今回は、2015年の私的ワースト映画にほぼ確定した『ギャラクシー街道』の感想を書いていきましょう。

Cコース…

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≪以下ネタバレ注意≫


いやね、予告編を観た時から嫌な予感はしまくってたんですよね。

そうでなくても、予告編を観る大分前の時点から、春に三谷さん作品っぽい群像劇?の『エイプリルフール』を観ていたもんで、

三谷さんが仕切らなくてもフジテレビがバックアップをすれば、三谷さん作品の世界的な映画は再現できない事は無い、というのがはっきり分かってしまったから

『三谷さん、新作は大丈夫かよ?』

と心配していたぐらいで。

だからこそ、1800円はもちろんのこと前売り券の料金よりもできるだけ安く・それこそできる事ならタダで観たい、と思ってまして…

で、今回は何とか1300円で観てきたのですが、それでも金と時間が勿体なかったもんなぁ。

予備知識として、今作はかなりの規模の地雷だという情報を頭に入れて、覚悟をして観に行ったから怒りの感情まではありませんが、

ロマンチックコメディという触れ込みなのに見終わったら、

不快を通り越して哀しく、かつ虚しくなった、というのが僕の率直な感想になりますかね。

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僕、三谷さん作品の世界のノリも、台詞の言い回しも、気合いの入ったキャスティングも、そしてとっちらかったストーリーを適度に交通整理をしてまとめるところも好きなんですけど、僕から言わしゃあですね。

それらを生かす為には、ある程度のリアリティーが必須条件なんですよ。極論ですが。

過去の三谷さんの映画作品。

ラジオドラマのスタジオ、大晦日を迎えたホテル、古きよき時代の映画の撮影現場、法廷…

清洲会議も、戦国時代の話ながらも、出てきたのは歴史上の人物ばっかりでしたよね。

それなのにギャラクシー街道は、リアルな要素はほとんど無くて。

強いて挙げりゃあハンバーガーショップが舞台ってところぐらいやったかなぁ。

しかし、ハンバーガーショップの中の閑散としていていかにも密室劇の舞台っぽくてロマンチックには程遠くて…

いや、その辺はいいんですけど、そんな閑散とした・ネガティブな雰囲気なのに、主に香取慎吾くんが絡む会話の大半は最後までギスギスしていたのは、普通に不快だった。

どーせやるんやったら、閑散とは真逆に突き抜けたレベルのポジティブな台詞のやりとりをやってもらわないと、観ていてしんどいくなりますよ(爆)

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ほんでもって、ギスギスしていたのは奥さん役の綾瀬はるかが

『不倫をしているのではないか?』

という疑念がきっかけな訳ですが。

客としてハンバーガーショップにやってきた各種宇宙人に対する接し方が、しょっぱなから変に刺々しくて…

大体、そもそも主人公が接客業なのにそーいうのを見せられたら、引いてしまったなぁ。

ついでに書けばですね、主人公の他の宇宙人に対する印象なり扱いが悪いのは決して僕の好みではありませんが。

それでもエンターテイメントの手法の一つとしては有りっちゃあ有りなのかも知れませんし、

仮にそうならばラストでは

『アース人は宇宙人のあんな事やこんな事が気に入らないって言うけど、我々から見たらアース人もあんな事やこんな事が気にいらないんだよ。君も僕たちも同じ様なもんなんだよ』

的意趣返しみたいな やりとりがあった末に主人公がちょっとは考え方を改める、というオチになるのか?と思っていたら。

綾瀬はるかが意味無くブラジルのダンスを一瞬やるぐらいで、そこまで深みのある言葉のやりとりはなく、

とってつけた様に?良い思い出が具体化する、というファンタジー要素が折り込まれた末に、ギャラクシー街道の閉鎖が先送りになって、

転勤希望も無かった事になってハンバーガーショップも継続される事で めでたし・めでたしなオチはつけられましたが、

僕はとてもじゃないけど、ハッピーな気持ちにはなれなかった(汗)

そんな澱んだ気持ちのままでエンドロールの宇宙人メドレーを観ている内に、

これって三谷さんのオリジナル作品の筈なのに、極端な話『第9地区』の三谷さんなりのアレンジ作品だったのか?という妄想まで生まれてきて、更に不快になった。

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ちなみに、この記事を書く前に、先にギャラクシー街道を観てエラい目にあった方の感想を書いたブログを複数読んでみたのですが、

今作は差別がテーマか?と書かれている方も居て、あ〜、他の方もそう思ったんや、となった次第。

更に突っ込んで、僕が不快になった点を挙げれば。

香取慎吾くん絡みの会話がメインストーリーとするならば、ハンバーガーショップに集った他の客同士の会話がサイドストーリーになるんでしょうけど、

そのサイドストーリーが、三谷さんの作品としては有り得ないぐらいに つまらなくて、それなのに台詞の量が多かったのは心底がっかりさせられた。

そらまぁ、警備隊の隊長と隊員の各種会話(コサキンのタクシーの運転手と客の会話みたいやけど 笑)とキャプテン・ソックスのダサさなんかは、

特撮ヒーロー物のドラマを小馬鹿にしていて非常に くだらなくて好きなんですけど、それを除けば…ねぇ。

コンピューターの中の西田局長との禅問答であるとか、

やたら時間が割かれていた宇宙人デリヘルの交渉であるとか、

ハナさんの役に立たないのにキレたらタチが悪いところとか、

存在自体意味がなかった白塗りのアレとか、

はたまた脱皮の後始末とかハンバーガーの食べ方とか…

そんなん知るか!

と怒鳴ってしまいそうになるやりとりが大半で、

しかも、エロ&グロの要素が三谷さんの作品としては異例なぐらいのペースで使われていたので、もう『勘弁してくれ…』状態になったぐらい。

ギャラクシー街道と比べたら、見終わった後には強引な印象が残った『エイプリルフール』の各エピソードの結び付き方が上手に思えるぐらいだったもんなぁ…

う〜ん。あまりネガティブな事ばかり書いてたら、ギャラクシー街道と変わらなくなってしまいそうな気がするので、

最後の最後に、かなりズルいけど面白かったところを書いておきましょう。

それはエンケンさんの扱い方全般。

あんなん、三谷さんもズルいけど、エンケンさんもあの演出を受け入れただけではなく、8つ子のCG合成にもOK出したらアカンわ(苦笑)

そんな感じで、僕なりのギャラクシー街道の感想はこんな感じで。

三谷さんは、香取慎吾くんと綾瀬はるかの名誉を回復する為に、早急に三谷さんの何らかの作品にキャスティングをしてほしいものです。

それではまた…

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