全日本プロレス両国大会のPPV中継で、船木誠勝vs鈴木みのるの金網マッチを観ました…
※スポナビより
※スポナビより
試合が終わった瞬間は、
『あ〜終わった』
という脱力感と同時に
『プロレスという名のゴールの無いマラソンは、やっぱり点ではなく線であるべきなんや』
と唸らされました。
そして、この二人の遺恨でさえも受け入れた武藤スタイルのパッケージプロレスの器の広さ、恐るべし!と。
とにかくですね、試合の後の余韻は、実際に闘った二人+京平さんよりも観る側が長く引きずりそうな感覚になりました。
されども、過去の二人のシングル戦を観ていたファンとそうではないファンとは、その引きずり方に大きな差がある様な…
死闘だったのは間違いないけど、その凄さと同じぐらいに不思議な感覚に陥る様な試合だったと思います。
先日取り上げた石川vs関本が、ド迫力の大技の応酬で視線がリングに釘づけになったのに対して、
こちらの試合は殴る、蹴る、極める、締めるのシンプルでゴツゴツした攻防が中心。
この試合で見られた派手な技は、みのるによる金網絡みのアレを別にしたら、
みのるのゴッチ式〜と船木のバックドロップ、あと実質フィニッシュになった浴びせ蹴りぐらいだったんじゃないすかね。
しかしながら、どれもお互いを
『これで倒してやる!』
という想いが込められていた様に見えた。
でも…
よう考えたら、昭和の時代のプロレスの、日本人対決のシングル、主に猪木絡みのビッグマッチってそーいう試合が多かった様な記憶があるんですよね。
因縁の両国でのシングルが決まってからは、金網があってもなくても、多分お互いの事しか目に入っていなかった二人なので、さすがにそこまで意識はしてなかったとは思います。
でも、決してデスマッチではなくロープエスケープ無しの金網マッチという特殊な形式にする事で…
まぁ、ロープエスケープ無し自体は後付け感があったからアレですが(爆)、
金網マッチになって、船木もみのるもこれまでの試合よりも観客の目線を意識しないシチュエーションになる事で、
偶然なのか必然なのか、昭和のプロレス的な死闘が再現された様に見えたんですよね。
そんでもって、それがまた随分新鮮に見えました。
船木の立場から言えば、鈴木みのると関わったという過去を吹っ切って、新たな流れを作る為のケジメの大一番は、
船木と鈴木が原風景として観てきた昭和のプロレス的な試合になった。
よく考えたら当たり前の話なのかも知れませんが、一度は『従来のプロレス』的な価値観からは、
一番距離が離れているパンクラスの中核にいた二人であってもそうだったというのは、凄く深さを感じつつ、魂が揺さ振られたというか…
そーいう角度から考えれば、文句無しで2010年のベストバウト候補だと言わざるを得ない。
ここからは、そんなこの試合での攻防面について振り返りますか。
まず僕が目を引いたのは、パンクラス時代の二人の試合でも勝敗を分けるポイントになった張り手の攻防でしょうか。
あの時も大概ブンブン腕を振り回していましたが、あの時よりもお互い張り手を受け合っていたのは驚きました。
ぶっちゃけた話、ノア武道館大会で行なわれた秋山vsみのる戦の方が繰り出された張り手の回数は多かったのですが、
それでもみのるからあれだけ『逃げるな』と挑発されていた船木がホントに逃げずに受けまくり、
そして張り手の打ち合いで船木が打ち勝った事が、勝敗を分けるポイントになった事はびっくりですよ。
いわゆるナックル(またはグーパンチ)を出さなかったのも、二人なりの意地を感じたなぁ。
えーと、あとこれは他の方とまんま被るアレになりますが、船木の表情は確かにカッコ良かった。
パンクラス時代にバス・ルッテンに正真正銘ボッコボコにされた時も大概絵になってましたが、
今回も金網にぶつけられて、流血に見舞われてからの表情の絵になり方が実にカッコいいでやんの。
かつての藤原組長もそうであり、今はみのるがよくやる、ヤセ我慢からニヤ〜リとする姿も絵になってますが、
この試合での船木の笑顔(?)は何か違うんですよ、上手く言えませんが。
それこそが船木の狂気性に繋がるのかも知れませんね。
あんなに絵になるんやったら、船木はブーブーモーモーズと絡む時は毎回流血戦をやったらええのに(誤解)
かたやみのる…
表情の作り方では決して負けていなかったとは思うのですが、
試合の組み立ての面で、勝ちに急いでいた様に見えて、それが直接の敗因になった様な印象が残りました。
グラウンドであれだけねちっこく攻めてたんだし、一度張り手で打ち負けた段階で、張り手にはあまりこだわらない試合の組み立てもできた筈だし、何よりシングルでのスタミナには絶対の自信があったやろーに。
ゴッチ式〜が出ても決められず、船木よりも先に攻め手がなくなりそうな展開だったものの、
説得力があったスライディングD風ケンカキックを放って、そう感じさせなかった迫力はさすがだとは思いましたが…
それでも、みのるの負けっぷりは、あまりにもみのるらしさに溢れていて、これはこれでカッコ良かった。あれはズルい(苦笑)
僕の中では今年のプロレス界の流行語大賞候補になっている
『やり過ぎぐらいが丁度いい』
状態になってましたね。
試合後の、船木のみのるへの一礼はきっと、そんなみのるの負けっぷりに対する敬意も含まれてたんやろーなぁ…
ホラ、船木は船木で、前記のルッテン戦もそうですし、ヒクソン戦でもリアルな白目をむいてましたし、
みのるに負けないぐらいの壮絶な負けっぷりを過去に見せてはいますけど、
船木って自分にとって嫌な思い出は、いかにも忘れてそうじゃないですか?
だからこそみのるに敬意を…みたいな。
う〜ん、これじゃオチにはならんかな。まぁそれはそれでええか…
♪風に抱かれて 生きてゆけ!
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『あ〜終わった』
という脱力感と同時に
『プロレスという名のゴールの無いマラソンは、やっぱり点ではなく線であるべきなんや』
と唸らされました。
そして、この二人の遺恨でさえも受け入れた武藤スタイルのパッケージプロレスの器の広さ、恐るべし!と。
とにかくですね、試合の後の余韻は、実際に闘った二人+京平さんよりも観る側が長く引きずりそうな感覚になりました。
されども、過去の二人のシングル戦を観ていたファンとそうではないファンとは、その引きずり方に大きな差がある様な…
死闘だったのは間違いないけど、その凄さと同じぐらいに不思議な感覚に陥る様な試合だったと思います。
先日取り上げた石川vs関本が、ド迫力の大技の応酬で視線がリングに釘づけになったのに対して、
こちらの試合は殴る、蹴る、極める、締めるのシンプルでゴツゴツした攻防が中心。
この試合で見られた派手な技は、みのるによる金網絡みのアレを別にしたら、
みのるのゴッチ式〜と船木のバックドロップ、あと実質フィニッシュになった浴びせ蹴りぐらいだったんじゃないすかね。
しかしながら、どれもお互いを
『これで倒してやる!』
という想いが込められていた様に見えた。
でも…
よう考えたら、昭和の時代のプロレスの、日本人対決のシングル、主に猪木絡みのビッグマッチってそーいう試合が多かった様な記憶があるんですよね。
因縁の両国でのシングルが決まってからは、金網があってもなくても、多分お互いの事しか目に入っていなかった二人なので、さすがにそこまで意識はしてなかったとは思います。
でも、決してデスマッチではなくロープエスケープ無しの金網マッチという特殊な形式にする事で…
まぁ、ロープエスケープ無し自体は後付け感があったからアレですが(爆)、
金網マッチになって、船木もみのるもこれまでの試合よりも観客の目線を意識しないシチュエーションになる事で、
偶然なのか必然なのか、昭和のプロレス的な死闘が再現された様に見えたんですよね。
そんでもって、それがまた随分新鮮に見えました。
船木の立場から言えば、鈴木みのると関わったという過去を吹っ切って、新たな流れを作る為のケジメの大一番は、
船木と鈴木が原風景として観てきた昭和のプロレス的な試合になった。
よく考えたら当たり前の話なのかも知れませんが、一度は『従来のプロレス』的な価値観からは、
一番距離が離れているパンクラスの中核にいた二人であってもそうだったというのは、凄く深さを感じつつ、魂が揺さ振られたというか…
そーいう角度から考えれば、文句無しで2010年のベストバウト候補だと言わざるを得ない。
ここからは、そんなこの試合での攻防面について振り返りますか。
まず僕が目を引いたのは、パンクラス時代の二人の試合でも勝敗を分けるポイントになった張り手の攻防でしょうか。
あの時も大概ブンブン腕を振り回していましたが、あの時よりもお互い張り手を受け合っていたのは驚きました。
ぶっちゃけた話、ノア武道館大会で行なわれた秋山vsみのる戦の方が繰り出された張り手の回数は多かったのですが、
それでもみのるからあれだけ『逃げるな』と挑発されていた船木がホントに逃げずに受けまくり、
そして張り手の打ち合いで船木が打ち勝った事が、勝敗を分けるポイントになった事はびっくりですよ。
いわゆるナックル(またはグーパンチ)を出さなかったのも、二人なりの意地を感じたなぁ。
えーと、あとこれは他の方とまんま被るアレになりますが、船木の表情は確かにカッコ良かった。
パンクラス時代にバス・ルッテンに正真正銘ボッコボコにされた時も大概絵になってましたが、
今回も金網にぶつけられて、流血に見舞われてからの表情の絵になり方が実にカッコいいでやんの。
かつての藤原組長もそうであり、今はみのるがよくやる、ヤセ我慢からニヤ〜リとする姿も絵になってますが、
この試合での船木の笑顔(?)は何か違うんですよ、上手く言えませんが。
それこそが船木の狂気性に繋がるのかも知れませんね。
あんなに絵になるんやったら、船木はブーブーモーモーズと絡む時は毎回流血戦をやったらええのに(誤解)
かたやみのる…
表情の作り方では決して負けていなかったとは思うのですが、
試合の組み立ての面で、勝ちに急いでいた様に見えて、それが直接の敗因になった様な印象が残りました。
グラウンドであれだけねちっこく攻めてたんだし、一度張り手で打ち負けた段階で、張り手にはあまりこだわらない試合の組み立てもできた筈だし、何よりシングルでのスタミナには絶対の自信があったやろーに。
ゴッチ式〜が出ても決められず、船木よりも先に攻め手がなくなりそうな展開だったものの、
説得力があったスライディングD風ケンカキックを放って、そう感じさせなかった迫力はさすがだとは思いましたが…
それでも、みのるの負けっぷりは、あまりにもみのるらしさに溢れていて、これはこれでカッコ良かった。あれはズルい(苦笑)
僕の中では今年のプロレス界の流行語大賞候補になっている
『やり過ぎぐらいが丁度いい』
状態になってましたね。
試合後の、船木のみのるへの一礼はきっと、そんなみのるの負けっぷりに対する敬意も含まれてたんやろーなぁ…
ホラ、船木は船木で、前記のルッテン戦もそうですし、ヒクソン戦でもリアルな白目をむいてましたし、
みのるに負けないぐらいの壮絶な負けっぷりを過去に見せてはいますけど、
船木って自分にとって嫌な思い出は、いかにも忘れてそうじゃないですか?
だからこそみのるに敬意を…みたいな。
う〜ん、これじゃオチにはならんかな。まぁそれはそれでええか…
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コメント
コメント一覧 (3)
かっこよすぎですよ。
僕は線としてもう少しひっぱてもいいかなぁと思いますが、今のプロレスの見方としてはこれぐらいの線がいいのかも。
あれ?
って感じが笑えましたよ
プロレス頭の差だから仕方無い( ∀ )