昨日は、映画『127時間』を観てきました。
今回はその感想を。
グッドモ〜ニング!エブリワン…

※公式ホームページ
≪以下ネタバレ注意≫
今回はその感想を。
グッドモ〜ニング!エブリワン…

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≪以下ネタバレ注意≫
しかしまぁ、恐ろしくよくできた映画でしたね。
タイトルロールが出るまで、引っ張れるだけ引っ張るところにまず
『おぉっ!?』
と思わされるところに始まり。
話のスタート地点は壮大な大自然で、主な舞台は谷底という密室劇で、主人公のアーロンのほぼ一人舞台。
動物もあまり出てこない。
されど、密室劇ながらもアーロンの孤独が生み出す各種の妄想という名の『動』の場面が、これでもかというぐらいに話を膨らませて、
右腕を岩に挟まれてどうしようもない状況で苦悩する『静』の場面のリアリティを際立たせていた。

実話がベースになっているそうですが、実話としてのリアリティは残しつつ、この『動』と『静』のバランスの取れ方がエンターテイメントとしての完成度を一気に高めていた印象。
ほんでもって、アーロンに生命の危機が徐々に徐々に近づく形で、画面から目が離せない展開を作っておきながらも、
挟まれた右腕を中国製の安物の万能ナイフでアレするクライマックスシーンでは、
思わず耳を塞ぎ・目を背けてしまう嫌〜な演出をフル稼働する。
また、最後まで耳に残る曲は無い…
仮にあったとしてもクライマックスで完璧に頭の中から吹っ飛ぶ訳ですが、
要所要所で流れるBGMのカッコ良さにはシビれるものがあるのに、
道に迷って(中略)ダイブを連発するおねーちゃんに、音楽の趣味がどーのこーのとケチを付けさせる。

また、そして忘れちゃいけないのが、身内であっても連絡をとるのを面倒くさがり、
お世辞でも前向きな人生を送っているとはいえなかったアーロンが、
岩に右手を挟まれる事をきっかけに徐々に考えが変わっていき、
終盤には
『この岩は俺が来るのを待っていた』
とある意味悟りを開き、一応の脱出に成功する時には岩に感謝の言葉を送るという、心境の変化を観る側にわかりやすく伝える脚本。
あくまで現実では膠着状態が続くストーリーながらも、巧いことメリハリが付いていて、
それと同時に、観客を自らの掌に乗せて喜怒哀楽をコントロールする…

んあ〜、ダニー・ボイルは素晴らしいよなぁ。この映画はこの一言に尽きる。
おそらく今頃は、日本の地上波テレビ局の映画事業部の偉いさんが、
この127時間の日本版を作るべく丁度いい原作を探している筈ですが、
このダニー・ボイル流の作品のバランスの取れ方を、日本人向けにアレンジするのは多分不可能でしょう。
よって『パクるのは止めとけ!』とメッセージを送っておきましょう(爆)
ところでそんなダニー・ボイルですが、パンフレットのインタビューを読む限りは
『ジェームス・フランコの演技に一番誇りを持っている』
との事。

確かに、右腕をアレしようが虫が浮かぶ泥水を飲もうが、絶対に生きる事を諦めないキャラながらも、
時おり異様なまでに冷静な面を見せるという、ダニー・ボイルの世界観に見事に乗っかった迫真の演技は良かった。
あれならば『ソーシャル・ネットワーク』と違って、本物のアーロンも納得しているでしょう。
でも、今回が彼の一世一代・究極形の演技に見えてしまって…
もちろん、彼がハリウッドの一発屋じゃないのはパンフレットを読めばわかるのですが、
ダニー・ボイルが関与しない作品だときっと…ねぇ。
これは『要らん事言うな』感はありますが、心に引っ掛かったので書いておきます。
それでは今回はこんな感じで。
ブルージョン、ブルーチーズ。


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タイトルロールが出るまで、引っ張れるだけ引っ張るところにまず
『おぉっ!?』
と思わされるところに始まり。
話のスタート地点は壮大な大自然で、主な舞台は谷底という密室劇で、主人公のアーロンのほぼ一人舞台。
動物もあまり出てこない。
されど、密室劇ながらもアーロンの孤独が生み出す各種の妄想という名の『動』の場面が、これでもかというぐらいに話を膨らませて、
右腕を岩に挟まれてどうしようもない状況で苦悩する『静』の場面のリアリティを際立たせていた。

実話がベースになっているそうですが、実話としてのリアリティは残しつつ、この『動』と『静』のバランスの取れ方がエンターテイメントとしての完成度を一気に高めていた印象。
ほんでもって、アーロンに生命の危機が徐々に徐々に近づく形で、画面から目が離せない展開を作っておきながらも、
挟まれた右腕を中国製の安物の万能ナイフでアレするクライマックスシーンでは、
思わず耳を塞ぎ・目を背けてしまう嫌〜な演出をフル稼働する。
また、最後まで耳に残る曲は無い…
仮にあったとしてもクライマックスで完璧に頭の中から吹っ飛ぶ訳ですが、
要所要所で流れるBGMのカッコ良さにはシビれるものがあるのに、
道に迷って(中略)ダイブを連発するおねーちゃんに、音楽の趣味がどーのこーのとケチを付けさせる。

また、そして忘れちゃいけないのが、身内であっても連絡をとるのを面倒くさがり、
お世辞でも前向きな人生を送っているとはいえなかったアーロンが、
岩に右手を挟まれる事をきっかけに徐々に考えが変わっていき、
終盤には
『この岩は俺が来るのを待っていた』
とある意味悟りを開き、一応の脱出に成功する時には岩に感謝の言葉を送るという、心境の変化を観る側にわかりやすく伝える脚本。
あくまで現実では膠着状態が続くストーリーながらも、巧いことメリハリが付いていて、
それと同時に、観客を自らの掌に乗せて喜怒哀楽をコントロールする…

んあ〜、ダニー・ボイルは素晴らしいよなぁ。この映画はこの一言に尽きる。
おそらく今頃は、日本の地上波テレビ局の映画事業部の偉いさんが、
この127時間の日本版を作るべく丁度いい原作を探している筈ですが、
このダニー・ボイル流の作品のバランスの取れ方を、日本人向けにアレンジするのは多分不可能でしょう。
よって『パクるのは止めとけ!』とメッセージを送っておきましょう(爆)
ところでそんなダニー・ボイルですが、パンフレットのインタビューを読む限りは
『ジェームス・フランコの演技に一番誇りを持っている』
との事。

確かに、右腕をアレしようが虫が浮かぶ泥水を飲もうが、絶対に生きる事を諦めないキャラながらも、
時おり異様なまでに冷静な面を見せるという、ダニー・ボイルの世界観に見事に乗っかった迫真の演技は良かった。
あれならば『ソーシャル・ネットワーク』と違って、本物のアーロンも納得しているでしょう。
でも、今回が彼の一世一代・究極形の演技に見えてしまって…
もちろん、彼がハリウッドの一発屋じゃないのはパンフレットを読めばわかるのですが、
ダニー・ボイルが関与しない作品だときっと…ねぇ。
これは『要らん事言うな』感はありますが、心に引っ掛かったので書いておきます。
それでは今回はこんな感じで。
ブルージョン、ブルーチーズ。


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コメント
コメント一覧 (2)
何年か経った将来、失った腕を見せて笑い話にできることを固く信じ、苦渋の決断を下す!!
あの勇気を持ち合わせている人間は、きっとそうはいないでしょう。
これほどまでに、主人公に敬意を払った映画は、前代未聞デスタ…
ジェームズの正にアーロンを体現した演技、そしてその演技を引き出すボイル監督の演出。
細かい部分も丁寧に描き出して緊張感をかもし出しながらも、大自然の美しさもキチットみせてくるという…。
更に天才的な音楽センスにはもう脱帽するしかないです。