昨日は、日本が誇る映画の世界のリビングレジェンド・高倉健さん主演の映画『あなたへ』を観てきました。今回はその感想を。
季節はずれの風鈴ほど悲しい音はない…か…
※公式ホームページ
≪以下ネタバレ注意≫
季節はずれの風鈴ほど悲しい音はない…か…
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最初から結論を書くとですね。
奥さんとの思い出を振り返りながら、富山→長崎1200キロの道程を自作のキャンピングカーで行く…的なロードムービーなんですけど、
道中で出会った人達とは決して一期一会の関係ではなく思いきり再会してしまう事で、
出会いそのものが軽くなってしまい、見せ場ではなくなってしまったり、
ロケハンをしていたのは伝わってきたけど、スタッフも高倉健さんにもロケ地までの移動で肉体的な負担がかかっていそうなのは違和感があった。
また、撮影機材に難があったのか現地の風景の映像は期待していた程美しくはなかったり(漁師町の雰囲気はリアルでしたが)、
沈んでいく夕陽が有り得ない程大きく映されていた、海への散骨の後のサプライズにより、
実は最重要人物だった事がわかる南原というキャラと、佐藤浩市さんのキャスティングがあまりマッチしていなかったり。
ついでに書けば、何らかの形で奥さんに先立たれた旦那さん以外は、健さんの境遇にピンとこなさそうだったりと、
ツメが甘い箇所が幾つかあったから、若い方が観たらロードムービーというよりもバカ映画にカテゴライズされかねない、
万が一主演が健さんじゃなければどーしようもない様なレベルの完成度かもしれない、という脆い一面もあるのですが、
最初から最後まで出ずっぱりに近い状態で健さんの姿がスクリーンに映っていたら、
『んなこたぁ どーだっていいんだよ!』
と思ってしまう。
果たしてあと何回高倉健さんの新作が制作されるかはわかりませんが、今後もできるだけ健さんを観たくなる…
そんな映画だったなぁ。
それぐらい健さんが凄かったんですよね。それに尽きる。
そして健さんの次に、後からじわじわ心の琴線に響いて来る脚本と、役者さん同士の間の取り方が素晴らしかったですね。
健さんは当然の様に口数が少なく感情をあまり出さないから、
旅の途中で出会った人達との会話の時には、自ずと聞き役になってしまう健さん。
じっくり話を聞いている姿と、奥さんとの記憶の回想シーンが終わった後の姿の違いはあまり無かった様な気はしますが(?)それでも非常に味があるというか、カッコ良かった。
しかし。
ストーリー上は肝である、何故遺書をあーいう形で業者さんに託し、故郷の海への散骨を望んだのかは、奥さんから教えてもらえずじまいで悩む健さん。
これだけでもかなり感じるものがあったのに、余貴美子さんとの出会いをきっかけにして、
健さんなりに昇華させていく訳ですが、泣く訳でもなくその他の感情を出す訳でもなく。
健さんはあまりにも健さんらしく、健さんにしかできない演技だった。
振り返ってみれば、あのシーンの健さんが観ていて一番泣けたなぁ…
ここからは、健さん以外について。
田中裕子さんは、歌手の設定の割に歌唱力は『まぁ、こんなもんでしょ』レベルだったのはちょっとコケそうにはなりましたが、
回想シーンだけしか出番が無い事が幸いしたのか、遺書の謎かけなんて考えそうにないぐらいに、
穏やかで ふわ〜っとしている良妻に描かれていたのはやり過ぎの感もありましたが、
むしろあれぐらいじゃないと、奥さんと接している健さんの可愛らしさが際立たなかったとも言えるから、それはそれで良かったんじゃないすかね。
お祭りの途中、デジカメで田中裕子さんを撮影していたシーンは二番目に泣けたし…
他の共演者の皆さんは…
たけしさんは、健さんと無言で数十秒間顔を見合せて、すっと山頭火を渡しても許されそうなぐらいに、
役者としての存在感がある筈なのに、あれはさすがに喋らせ過ぎ。
あれじゃ車場荒らしじゃなくて詐欺師ですよ(苦笑)
あの健さんを振り回してしまう草なぎくんのポジティブキャラは僕も嫌いじゃないけど、
幾ら演技とは言え居酒屋で泥酔させるなんて、モラル的にはどないなもんか?とは思いました(爆)
最初に書いた佐藤浩市さんは、元・漁師と言われると説得力に欠けたなぁ。
最後にナイナイの岡ちゃん。
あくまで、絵に描いた様なチョイ役ながらも、あの高倉健さんと共演したと一生自慢できるぐらいの仕事はできていたと思う。
圧倒的に若者が少ない客層ながらも、岡ちゃんが出てきた瞬間笑いが起きてましたし…ね。
あれ以上共演時間が長いとまた精神的なバランスを崩しかねないし!?
それでは最後に一言…
健さん、素晴らしい演技をありがとうございました(深々と一礼)
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奥さんとの思い出を振り返りながら、富山→長崎1200キロの道程を自作のキャンピングカーで行く…的なロードムービーなんですけど、
道中で出会った人達とは決して一期一会の関係ではなく思いきり再会してしまう事で、
出会いそのものが軽くなってしまい、見せ場ではなくなってしまったり、
ロケハンをしていたのは伝わってきたけど、スタッフも高倉健さんにもロケ地までの移動で肉体的な負担がかかっていそうなのは違和感があった。
また、撮影機材に難があったのか現地の風景の映像は期待していた程美しくはなかったり(漁師町の雰囲気はリアルでしたが)、
沈んでいく夕陽が有り得ない程大きく映されていた、海への散骨の後のサプライズにより、
実は最重要人物だった事がわかる南原というキャラと、佐藤浩市さんのキャスティングがあまりマッチしていなかったり。
ついでに書けば、何らかの形で奥さんに先立たれた旦那さん以外は、健さんの境遇にピンとこなさそうだったりと、
ツメが甘い箇所が幾つかあったから、若い方が観たらロードムービーというよりもバカ映画にカテゴライズされかねない、
万が一主演が健さんじゃなければどーしようもない様なレベルの完成度かもしれない、という脆い一面もあるのですが、
最初から最後まで出ずっぱりに近い状態で健さんの姿がスクリーンに映っていたら、
『んなこたぁ どーだっていいんだよ!』
と思ってしまう。
果たしてあと何回高倉健さんの新作が制作されるかはわかりませんが、今後もできるだけ健さんを観たくなる…
そんな映画だったなぁ。
それぐらい健さんが凄かったんですよね。それに尽きる。
そして健さんの次に、後からじわじわ心の琴線に響いて来る脚本と、役者さん同士の間の取り方が素晴らしかったですね。
健さんは当然の様に口数が少なく感情をあまり出さないから、
旅の途中で出会った人達との会話の時には、自ずと聞き役になってしまう健さん。
じっくり話を聞いている姿と、奥さんとの記憶の回想シーンが終わった後の姿の違いはあまり無かった様な気はしますが(?)それでも非常に味があるというか、カッコ良かった。
しかし。
ストーリー上は肝である、何故遺書をあーいう形で業者さんに託し、故郷の海への散骨を望んだのかは、奥さんから教えてもらえずじまいで悩む健さん。
これだけでもかなり感じるものがあったのに、余貴美子さんとの出会いをきっかけにして、
健さんなりに昇華させていく訳ですが、泣く訳でもなくその他の感情を出す訳でもなく。
健さんはあまりにも健さんらしく、健さんにしかできない演技だった。
振り返ってみれば、あのシーンの健さんが観ていて一番泣けたなぁ…
ここからは、健さん以外について。
田中裕子さんは、歌手の設定の割に歌唱力は『まぁ、こんなもんでしょ』レベルだったのはちょっとコケそうにはなりましたが、
回想シーンだけしか出番が無い事が幸いしたのか、遺書の謎かけなんて考えそうにないぐらいに、
穏やかで ふわ〜っとしている良妻に描かれていたのはやり過ぎの感もありましたが、
むしろあれぐらいじゃないと、奥さんと接している健さんの可愛らしさが際立たなかったとも言えるから、それはそれで良かったんじゃないすかね。
お祭りの途中、デジカメで田中裕子さんを撮影していたシーンは二番目に泣けたし…
他の共演者の皆さんは…
たけしさんは、健さんと無言で数十秒間顔を見合せて、すっと山頭火を渡しても許されそうなぐらいに、
役者としての存在感がある筈なのに、あれはさすがに喋らせ過ぎ。
あれじゃ車場荒らしじゃなくて詐欺師ですよ(苦笑)
あの健さんを振り回してしまう草なぎくんのポジティブキャラは僕も嫌いじゃないけど、
幾ら演技とは言え居酒屋で泥酔させるなんて、モラル的にはどないなもんか?とは思いました(爆)
最初に書いた佐藤浩市さんは、元・漁師と言われると説得力に欠けたなぁ。
最後にナイナイの岡ちゃん。
あくまで、絵に描いた様なチョイ役ながらも、あの高倉健さんと共演したと一生自慢できるぐらいの仕事はできていたと思う。
圧倒的に若者が少ない客層ながらも、岡ちゃんが出てきた瞬間笑いが起きてましたし…ね。
あれ以上共演時間が長いとまた精神的なバランスを崩しかねないし!?
それでは最後に一言…
健さん、素晴らしい演技をありがとうございました(深々と一礼)
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コメント
コメント一覧 (1)
健さんは、ひたすらカッコイイですねー。田中裕子をバス停まで送る時のあのさり気無さ!漢(おとこ)です!
祭りの写真は、ワッチもウルウルきました。
ベタですけど、やられっちゃいますよねー、ああいう演出には・・