一昨日は、原恵一監督による実写映画『はじまりのみち』を観てきました。
今回はその感想を書いていきます。
青瓢箪の割には…

※PC版公式ホームページ
≪以下ネタバレ注意≫
今回はその感想を書いていきます。
青瓢箪の割には…

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≪以下ネタバレ注意≫
えーと…
河原での会話のシーンの途中に始まった『陸軍』のラストと、
トンネルに入っていくという、やたら意味深な本編のラストの後の、木下監督の作品のダイジェストを込みで96分間ですか。
木下監督の生誕100年という冠が無ければ、まず全国規模で公開される事は無いであろうコンパクトな作品でしたが、
全編にわたって原恵一監督による木下監督へのリスペクトに溢れた心に染みる良い映画だったと思います。
あくまで他人事ながらも…

どう好意的に観ても若い人向けの映画では無いから、
興業収益的に大丈夫か、松竹?
と心配になる部分があるから一応書きますが、
木下監督の作品を観た事があろうが無かろうが、母親が健在な方は観ておく方が良いと思います、ということで。
僕自身木下監督の作品は未見ですが『陸軍』のラストとダイジェストを観たら
『こーいう作品を撮ってこられた方なんだ』
と勉強になったし、
僕自身、息子としては母親からはまだ“誇り”には思われていないから、もっと仕事を頑張らなきゃ、と思ったなぁ…。

ここからはストーリーについて。
詳細は割愛しますが、木下監督が松竹に辞表を出した後に、お母さん&お兄さんと一緒に喜多村勝坂に到着して、松竹に戻る事を決意するまでのエピソードだけに絞っていた構成はびっくりしたなぁ。
パンフを読んでいたら、アドバイザーの山田太一さんの
『小さな美談だから、そんなに面白くなるのかなと思いました(笑)』
という見も蓋もないコメントが載ってましたが(苦笑)僕の場合はこーいう話の膨らませ方はこれはこれで観ていられた。
そらまぁ、余計な話があまりにも無さ過ぎたもんやから、気多村に着いた時には
『えっ、トロッコ列車の中の話は端折るの?』
と思ったのは事実。
あくまで疎開時の話だから、戦争の映像が無かったのは別に気にならなかったけど、旅館を出た後にすぐに着いたのは味気なかったなぁ。

道中であとひとつぐらいは、リヤカーが動かなくなるか便利屋と口論になる類いのアクシデントがあってほしかったし、
そーいう余計な(?)ところでこそ原恵一監督らしさがアピールできた様な気はして正直勿体ない気はした。
結局は制作費とかの兼ね合いに尽きるのかも知れませんが、
むしろ今作は徹底してストーリーを絞っていたからこそ河原のシーンとお母さんの手紙&お母さん絡みの回想シーンではジワーッと泣けたんだ、と割りきる事にした次第です。
ここからは役者さんについて。
加瀬亮は、勿体なかったかな?
宮崎あおい演じる学校の先生を映画監督モードで無言で見つめるシーンが実に味わい深かったので、台詞が少な目なのはまだ有りかな?とは思いましたが、

予告編の中で主な台詞が流れていたのはやっぱり引っ掛かった。
もちろん実際の木下監督のキャラとは近いのか遠いのかはわからないんですけど…
と前置きをして書けば、どアップになった時にあれだけ涙と鼻水が映える顔を作れるんだし、
お兄さん役のユースケさんも彼にしては“抑えた”役作りをしていたんだから、もうちょっとだけ喜怒哀楽があってほしかったなぁ。
田中裕子さんは、年齢の割には若いイメージがあったので『あなたへ』に続いてあーいう役だったのは軽くショックだった。
あー、僕も歳をとったなぁ、みたいな…

そして濱田岳。
他の役者さんはともかくとして、もし今作で彼がキャスティングされていなければ、
この映画は決して薄っぺらくは無いものの、どれだけ平坦で味気ないものになっていたのだろうかと思ったぐらいですよ!?
見た目はバリバリに若き日の火野正平さんながらも、うっかり八兵衛系キャラを演じていたのは大したもんだ。
特に、エアカレーライスと木下監督作品のダイジェストの中のカレーライスのシーンのリンクの仕方なんて変に印象に残ってしまったし…
って、彼の中では多分この役でも普段通りの演技なんでしょうけど、ね。
また、あれだけ存在感があって木下親子と心を通いあわせながらも、
別れ際に名前を聞くのは忘れられてしまうという切ないフェードアウトの仕方も、僕の心の琴線に響いた。
極端な話、木下監督の作品を観た事が無い方でも、今作の濱田岳の演技は観る価値はあると思いましたね(笑)
最後に一言。
原恵一監督がいつの日かまた実写映画を撮る際には、今作に出ていた役者さんをまた使ってほしいものですね。
ごめんなすって…


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河原での会話のシーンの途中に始まった『陸軍』のラストと、
トンネルに入っていくという、やたら意味深な本編のラストの後の、木下監督の作品のダイジェストを込みで96分間ですか。
木下監督の生誕100年という冠が無ければ、まず全国規模で公開される事は無いであろうコンパクトな作品でしたが、
全編にわたって原恵一監督による木下監督へのリスペクトに溢れた心に染みる良い映画だったと思います。
あくまで他人事ながらも…

どう好意的に観ても若い人向けの映画では無いから、
興業収益的に大丈夫か、松竹?
と心配になる部分があるから一応書きますが、
木下監督の作品を観た事があろうが無かろうが、母親が健在な方は観ておく方が良いと思います、ということで。
僕自身木下監督の作品は未見ですが『陸軍』のラストとダイジェストを観たら
『こーいう作品を撮ってこられた方なんだ』
と勉強になったし、
僕自身、息子としては母親からはまだ“誇り”には思われていないから、もっと仕事を頑張らなきゃ、と思ったなぁ…。

ここからはストーリーについて。
詳細は割愛しますが、木下監督が松竹に辞表を出した後に、お母さん&お兄さんと一緒に喜多村勝坂に到着して、松竹に戻る事を決意するまでのエピソードだけに絞っていた構成はびっくりしたなぁ。
パンフを読んでいたら、アドバイザーの山田太一さんの
『小さな美談だから、そんなに面白くなるのかなと思いました(笑)』
という見も蓋もないコメントが載ってましたが(苦笑)僕の場合はこーいう話の膨らませ方はこれはこれで観ていられた。
そらまぁ、余計な話があまりにも無さ過ぎたもんやから、気多村に着いた時には
『えっ、トロッコ列車の中の話は端折るの?』
と思ったのは事実。
あくまで疎開時の話だから、戦争の映像が無かったのは別に気にならなかったけど、旅館を出た後にすぐに着いたのは味気なかったなぁ。

道中であとひとつぐらいは、リヤカーが動かなくなるか便利屋と口論になる類いのアクシデントがあってほしかったし、
そーいう余計な(?)ところでこそ原恵一監督らしさがアピールできた様な気はして正直勿体ない気はした。
結局は制作費とかの兼ね合いに尽きるのかも知れませんが、
むしろ今作は徹底してストーリーを絞っていたからこそ河原のシーンとお母さんの手紙&お母さん絡みの回想シーンではジワーッと泣けたんだ、と割りきる事にした次第です。
ここからは役者さんについて。
加瀬亮は、勿体なかったかな?
宮崎あおい演じる学校の先生を映画監督モードで無言で見つめるシーンが実に味わい深かったので、台詞が少な目なのはまだ有りかな?とは思いましたが、

予告編の中で主な台詞が流れていたのはやっぱり引っ掛かった。
もちろん実際の木下監督のキャラとは近いのか遠いのかはわからないんですけど…
と前置きをして書けば、どアップになった時にあれだけ涙と鼻水が映える顔を作れるんだし、
お兄さん役のユースケさんも彼にしては“抑えた”役作りをしていたんだから、もうちょっとだけ喜怒哀楽があってほしかったなぁ。
田中裕子さんは、年齢の割には若いイメージがあったので『あなたへ』に続いてあーいう役だったのは軽くショックだった。
あー、僕も歳をとったなぁ、みたいな…

そして濱田岳。
他の役者さんはともかくとして、もし今作で彼がキャスティングされていなければ、
この映画は決して薄っぺらくは無いものの、どれだけ平坦で味気ないものになっていたのだろうかと思ったぐらいですよ!?
見た目はバリバリに若き日の火野正平さんながらも、うっかり八兵衛系キャラを演じていたのは大したもんだ。
特に、エアカレーライスと木下監督作品のダイジェストの中のカレーライスのシーンのリンクの仕方なんて変に印象に残ってしまったし…
って、彼の中では多分この役でも普段通りの演技なんでしょうけど、ね。
また、あれだけ存在感があって木下親子と心を通いあわせながらも、
別れ際に名前を聞くのは忘れられてしまうという切ないフェードアウトの仕方も、僕の心の琴線に響いた。
極端な話、木下監督の作品を観た事が無い方でも、今作の濱田岳の演技は観る価値はあると思いましたね(笑)
最後に一言。
原恵一監督がいつの日かまた実写映画を撮る際には、今作に出ていた役者さんをまた使ってほしいものですね。
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コメント
コメント一覧 (2)
あの河原での『陸軍』のラストを語るくだりは素晴らしかったですよ。
「後の○○○○(有名な落語家さん)である」
みたいなテロップ注釈が付くんじゃあないかと推測してしまったけどーーーちゃいましたネ〜
あ、岳クンには是非、河童のクゥ役を!