先日はホール・ソレイユで園子温監督の最新映画『地獄でなぜ悪い』をみてきたので、今回はその感想を書いていきましょう。

今すぐ僕と映画を作って下さい…

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※PC版ホームページ

≪以下ネタバレ注意≫



何と言いますか、凄く楽しい映画でしたね。まずはその言葉しか出てこんわ。

あれだけやってくれたら、他の娯楽映画が“偽物”に見えてきても不思議ではない気がする(大袈裟)

先に観られた方の評判の良さからハードルはかなり高めにして観ましたが、あんなに突き抜けているとは思わなかったですね。

殴り込み以降は何回も笑わされて無茶苦茶面白かったんですけどストーリーは無茶苦茶デタラメで…

って、昔はヤクザが映画制作に携わる事自体は無くは無かったらしいものの(汗)、

終始おびただしい量の血と映画愛に溢れていて、沢山の有名な役者さん達がこんなとんでもない&ろくでもない世界観に付き合っていて皆キャラ立ちしている、究極レベルのバカ映画なんて園子温監督でなければ作れない…

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ことは無い筈ですが、まず最初に園子温監督の名前が無ければ、この企画書&脚本で制作費は集まらない事は間違いない。

あの『希望の国』の次に作られたのが よりによってこれだとなると、園子温監督を改めてリスペクトをしなきゃいけない。

これまでの園子温監督作品の中では、これが一番好きやなぁ(笑)

ここからは、そんな『地獄でなぜ悪い』で良くなかったところを書きだしていきましょう(オイオイ)

だってほら、役者さん達の怪演以外で今作の良かったところはこれこれです!と挙げても、

価値観によっては全部ダメな方もいるやろーし、表裏一体過ぎるじゃないですか?(苦笑)

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もちろん、ファックボンバーズ時代に自身が実際に経験したエピソードを描く等の園子温監督の映画愛の表現と、

その熱さに応えた長谷川博己さんの他の役者さん達に輪をかけた怪演は見事だったと思いますが、別に

『ブルース・リーもどきの役で公園で撮影をしていたら子供達にバーカ、バーカと囃し立てられた』

のエピソードを念入りにやらなくてもええやん、ともなるし。

だから、良くなかったところです(苦笑)

それは、殴り込み兼撮影までのやりとりが長かったところかなぁ、と。

あの長さによって殴り込み兼撮影のやりとりの疾走感が増した訳でも無いですし…ね。

もちろん、主要登場人物6人のシーン何処も削れなかったから130分の長期戦になったんでしょうけど、

平田監督とブルース・リーの衝突シーンや看板の付け替え工事や渡辺哲さん絡みのシーンは短くして、2時間ギリギリにまとめてほしかった。

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もしくは、10年前と10年後でハッキリ分かれてるしファックボンバーズの面々の老け方をギャグにもしてるんだから、

タラちゃん映画風オムニバス的な構成にする手もあったやろーし、

意表をついてインド映画みたいにインターバルの時間を設けるとか(笑)

まぁ、そこは引っ掛かりましたね。

あと良くなかったというか、アレッ?となったのはオーラスのシーン。

大量の映像素材を抱え全てが報われたかの様に笑い続けながら現場から逃亡していく平田監督が、『ヒミズ』のラストっぽく走り続けてフェードアウトしたのはびっくりした。

『凶悪』のあのシーンみたいに突然ダンプカーないしは車にはねられて、

笑顔で血だるまになりながら絶命するのかとドキドキしてましたが、そのまま終わったもんなぁ。

『地獄でなぜ悪い』が完成して昭和座が復活して賑わう回想シーンなんて、平田監督の死に際のあたかも走馬灯の様に…に相応しかったのにね。

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園子温監督ってオーラスは必ず観る側の“心に引っ掛かる”ものにすると思っていたので、

園子温監督自身がモデルである平田監督は例外にしなくても…となった。

気持ちはわかるけど、芸術家としての甘さを感じた。その甘さこそが“良さ”なのかも知れませんが、

詳細は割愛しますが、平田監督以外の主要登場人物の死に方にはそれぞれ園子温監督のこだわりがあったんやから…ね。

いや、國村さんの首チョンパ!を含む『恐怖奇形人間』の人間花火チックに手足が宙を舞い続けるシーンには、ギャグ精神だけで特にこだわり的な感情は無かったのかな?

まぁええわ。

ちなみに個人的には、レールカメラでマシンガンを乱射していた御木カメラマンによる立ち往生が大好きですが(笑)

とりあえず、僕の中で良くなかった点はこんな感じです。

最後に一言。

映画の神様、ありがとう!(笑)

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