一昨日は周防正行監督の新作『舞妓はレディ』を観てきましたので、今回はその感想を書いていきましょう。
京都の雨は たいがい盆地に降るんやろか…
※PC版ホームページ
≪以下ネタバレ注意≫
京都の雨は たいがい盆地に降るんやろか…
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いやー、ホンマええ話で、良い映画でしたね。
周防監督はやっぱりすげぇや、と思った。
事前にはもっと竹中直人さんと渡辺えりさんが活躍してコメディ色が強いか、途中から凋落まっしぐらのフジテレビらしくドタバタ劇っぽく進むのかと思ってましたが、なかなかどうして。
ストーリー自体は、失語症に頼り過ぎなかった事でかなり淡々としていた春子の成長物語からブレる事が無かったので、
クライマックスでの舞妓としてのデビュー戦で、溜めに溜めていた母親ネタに一気に触れるシーンが、
びっくりするぐらい淡々としていながらもやたら心に響いたのはとにかく好印象。
『TOKYO TRIBE』における園監督と違って、周防監督が京都の花街文化をしっかりと取材していた事が随所から伝わってきたのも好印象。
思わぬ形?で 一見さんお断りの理由の解説までしてくれたのは感心したし。
『おくりびと』とは違う形で海外ウケも良さそうですよね。
また、役者さん達に上白石ちゃんとのやりとりにおいて大映テレビ系チックな濃い演技を求める手もあった筈なのにそうはせず、
まさかのミュージカル的要素を適度なタイミングで多すぎず少なすぎずちょうどよい回数混ぜる事で、
メインストーリーはぶれていないのに映画としてメリハリを付けていたのは上手いなぁ、と思った。
でも何といいますか。
ここ最近観た映画が非常に訳わからんかった『TOKYO TRIBE』だったり、無茶苦茶熱かったけどそれに比例するぐらいツッコむ隙が多かった『イン・ザ・ヒーロー』だったりした関係で、
この『舞妓はレディ』では、ドラマパートとミュージカルパートと、周防監督が京都独自の文化へのリスペクトを見せるパートのバランスが取れ過ぎていたのか?
全体的に無難な範囲に上手い事まとまり過ぎていた感じで刺激が足りず、逆に物足りなさがありましたね。そこは唯一の不満…かな。
最初から最後まで方言ネタを徹底していた点以外で、何か観る側の想像力を越える・突き抜ける要素があってほしかった。
もちろん贅沢な指摘ではありますが、書かずにはいられないというか!?
誤解されたら困るので書きますが、これまたぶれなかった方言ネタはアレはアレで全然いいと思うんですよ。
ラストは
『江戸っ子かい!』
って心の中でツッコミをいれてもーたし(笑)
また、白塗り後の化けっぷりを含め、成長物語のヒロインとしての上白石ちゃんのキャスティングも見事だったとは思うんですけど、
上白石ちゃん自身の女優としてのサクセスストーリーは今作がスタートに近い訳で、
上白石ちゃんを今の段階から絶賛するってーのも何か違う気もする。
ついでに書けば上白石ちゃん以外のキャストも、鈴木先生モードだった長谷川博己を筆頭に
『これだけ演技が達者な方々を脇に並べるなんてズルいわ』
と思うぐらいに鉄板だったのも まとまり過ぎていた様に思ってしまった要因なんでしょうね…
って、濱田岳くんに関しては無駄遣いの印象は否めないし、外国かぶれキャラの高嶋兄さんは空回り気味でちょっと微妙でしたけど(笑)
帰宅してそんな事考えながらにゃむばななさんの解説を読んだら、突き抜ける感が足りなかった様に見えた理由のひとつが見えたというか。
オーラスの下八軒のコスプレ大集合のところは しゃーないとして、
確かにミュージカルのシーンは、歌は上手かったものの全体的にカメラワークがイマイチで面白みに欠けていたなぁ。
舞台中継やないねんから、歌い手さんにグーッと近づいても良かったのにね。
その点に関しては周防監督には、インパクト抜群だった嫌われ松子〜のミュージカルパートを見習ってほしかったかも知れませんね、ということで。
まぁ、でも観て損はしない映画なのでお薦めしておきます。
ほいじゃほいじゃ!
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周防監督はやっぱりすげぇや、と思った。
事前にはもっと竹中直人さんと渡辺えりさんが活躍してコメディ色が強いか、途中から凋落まっしぐらのフジテレビらしくドタバタ劇っぽく進むのかと思ってましたが、なかなかどうして。
ストーリー自体は、失語症に頼り過ぎなかった事でかなり淡々としていた春子の成長物語からブレる事が無かったので、
クライマックスでの舞妓としてのデビュー戦で、溜めに溜めていた母親ネタに一気に触れるシーンが、
びっくりするぐらい淡々としていながらもやたら心に響いたのはとにかく好印象。
『TOKYO TRIBE』における園監督と違って、周防監督が京都の花街文化をしっかりと取材していた事が随所から伝わってきたのも好印象。
思わぬ形?で 一見さんお断りの理由の解説までしてくれたのは感心したし。
『おくりびと』とは違う形で海外ウケも良さそうですよね。
また、役者さん達に上白石ちゃんとのやりとりにおいて大映テレビ系チックな濃い演技を求める手もあった筈なのにそうはせず、
まさかのミュージカル的要素を適度なタイミングで多すぎず少なすぎずちょうどよい回数混ぜる事で、
メインストーリーはぶれていないのに映画としてメリハリを付けていたのは上手いなぁ、と思った。
でも何といいますか。
ここ最近観た映画が非常に訳わからんかった『TOKYO TRIBE』だったり、無茶苦茶熱かったけどそれに比例するぐらいツッコむ隙が多かった『イン・ザ・ヒーロー』だったりした関係で、
この『舞妓はレディ』では、ドラマパートとミュージカルパートと、周防監督が京都独自の文化へのリスペクトを見せるパートのバランスが取れ過ぎていたのか?
全体的に無難な範囲に上手い事まとまり過ぎていた感じで刺激が足りず、逆に物足りなさがありましたね。そこは唯一の不満…かな。
最初から最後まで方言ネタを徹底していた点以外で、何か観る側の想像力を越える・突き抜ける要素があってほしかった。
もちろん贅沢な指摘ではありますが、書かずにはいられないというか!?
誤解されたら困るので書きますが、これまたぶれなかった方言ネタはアレはアレで全然いいと思うんですよ。
ラストは
『江戸っ子かい!』
って心の中でツッコミをいれてもーたし(笑)
また、白塗り後の化けっぷりを含め、成長物語のヒロインとしての上白石ちゃんのキャスティングも見事だったとは思うんですけど、
上白石ちゃん自身の女優としてのサクセスストーリーは今作がスタートに近い訳で、
上白石ちゃんを今の段階から絶賛するってーのも何か違う気もする。
ついでに書けば上白石ちゃん以外のキャストも、鈴木先生モードだった長谷川博己を筆頭に
『これだけ演技が達者な方々を脇に並べるなんてズルいわ』
と思うぐらいに鉄板だったのも まとまり過ぎていた様に思ってしまった要因なんでしょうね…
って、濱田岳くんに関しては無駄遣いの印象は否めないし、外国かぶれキャラの高嶋兄さんは空回り気味でちょっと微妙でしたけど(笑)
帰宅してそんな事考えながらにゃむばななさんの解説を読んだら、突き抜ける感が足りなかった様に見えた理由のひとつが見えたというか。
オーラスの下八軒のコスプレ大集合のところは しゃーないとして、
確かにミュージカルのシーンは、歌は上手かったものの全体的にカメラワークがイマイチで面白みに欠けていたなぁ。
舞台中継やないねんから、歌い手さんにグーッと近づいても良かったのにね。
その点に関しては周防監督には、インパクト抜群だった嫌われ松子〜のミュージカルパートを見習ってほしかったかも知れませんね、ということで。
まぁ、でも観て損はしない映画なのでお薦めしておきます。
ほいじゃほいじゃ!
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コメント
コメント一覧 (2)
あんな田舎娘丸出しの表情が出来る娘さんをよく見つけてきたもんだと。
もしかして周防監督には張芸謀監督と同じく若い娘さんを見る目があるのかも?